CATNAP STATION🐾夢を使った次元旅行🐈

愛知県でQHHTというヒプノセラピーを行っています😺どうぞよろしくお願いいたします🐾

忘れられない出来事~ある患者さんの最後に立ち会って~

今から20年以上前のことです。私が看護師になって最初に配属されたのが内科病棟でした。
当時の内科病棟は消化器疾患や、呼吸器・循環器疾患の慢性期、末期の方が入院されていました。

消化器や呼吸器の癌の方、循環器系は心筋梗塞、心不全といった、病気の方が多かったと思います。
高齢の方が多いので病気の進行は緩やに進みます。
看護師になりたてのころは、仕事を覚えることにいっぱいいっぱいで失敗ばかりの私でしたが、患者さんたちは暖かく受け入れてくれました。

採血がうまくいかなくて落ち込んでいた時は、
「私は血管が太いから、今度採血していいよ」と言ってくれる患者さんもいて、温かい環境で看護師として少しずつ経験を重ねることができました。

この時代の病院は今よりもおおらかな患者さんが多くて、とても恵まれた環境で仕事を勉強させてもらいました。

こういった温かい患者さんたちに育ててもらったのだと思います。

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皆さん少しずつ進行する病気や悪化していく体調、緩やかに近づいてくる”最後の日への恐怖”、"愛する人々との別れ”そういったものと向き合いながら過ごされていたと思います。

それは、夜勤をするようになってわかったのですが、夜になると「眠れない」と言って赤い目をした患者さんがナースステーションにやってくるからです。

昼間は明るい笑顔で、優しくて温厚な方でした。でも、夜になると眉間にしわを寄せ青白い顔で「眠れない・・」と言われるのです。
先輩の看護師さんが、患者さんの背中をさすりながらしばらくお話をすると、その方は少し安心されたようで、病室へ戻っていきました。

お昼は家族や周囲の人たちの手前、気丈に明るくふるまっていても、本当は皆さん不安を抱えながら過ごしているのだな、眠れないほど不安に苛まれて見えるのだな。と改めて気づかされました。

そう思うと、こういう不安をどうしたら和らげることができるのだろう?

何か少しでも心の痛みを和らげる方法はないのかな?と考えるようになりました。

 

 

 

肝がん末期の患者さん

私が看護師になって2年過ぎたころ、忘れられない患者さんが入院されました。
その人は50代の方で、肝臓の癌でした。50代と若いので癌の進行が早く転移や周辺臓器への浸潤が確認されていました。

その方が入院されてきたときは、まだ自分で身の回りのことができるくらいお元気でした。その方は身寄りのない男性でした、ご両親やご兄弟のことは全く教えてくれなくて「絶縁状態」みたいなことを話されていました。
人当たりは良いのですが、何か人を寄せ付けないところがあって、時々鋭い目をされることがありました。
仕事も転々としていたらしく、親しい間柄の人やお友達などもいないようでした。
でも、本当はずっと寂しかったようで、入院されてからは看護師や医療スタッフとお話をして楽しそうにしていました。

 

しかし、穏やかな入院生活はあまり長く続きませんでした。
癌のせいでお腹に腹水がたまり始めていて、それは徐々に肺や心臓を圧迫していきました。
肝臓は全身の血液を集めて栄養を蓄えたり解毒したりしていますが、肝臓がんや肝硬変などで肝臓が硬く変化してしまうと血液が肝臓に入りにくくなり、滞った血液がしみ出る形で腹水になります。

あまりお腹が張ってしまうと、呼吸が苦しくなったり、頻脈など心臓に影響が出てしまうので、対処療法として腹水を抜く処置が行われます。
腹水を抜く処置も、患者さんには負担が大きいものになります。

せっかく腹水を抜いてもその効果は一時的で、またすぐにお腹に水が溜まってしまいます。

臨月の妊婦さんやそれ以上にお腹が張ってしまうので、息苦しさや動悸、腰痛など様々な症状が出てきます。

 

腹水による苦しみや、癌の痛み、孤独、死への恐怖など様々な思いが合わさって、彼はだんだん別人のように変貌していくのでした。
肝機能が低くなってしまったので、アンモニアによる脳の異変もあったのだと思いますが、とにかく怖いくらい怒りっぽくなってしまいました。トゲトゲした痛みや苦しみ、怒りを発するようになっていきました。

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魂が壊れる時、長い夜の悲痛なナースコール

患者さんが入院されて2カ月ほどたつと、彼はほとんど話をしなくなりました。
検温や食事の配膳であいさつしたり、声をかけても首を少し動かす程度でした。

いつも目を閉じて険しい顔をしているので、それ以上言葉をかけることができませんでした。

痛みをこらえているような、何かにいら立っているような、ピリピリした空気を感じました。

でも、このころから、夜になると彼からのナースコールが増えていきました。
「エアコンの温度を調整してほしい」
「氷枕が欲しい」
「腰が痛い」
「(黄疸があるので)体がかゆい」

「眠れない」

「口が乾いた」

「体の向きを変えて」

始めのころは夜勤帯に2~3回のコールだったのですが、だんだん頻度が増えていきました。ひどい時は5分おきくらいにコールがありました。
怒りながら「痛くて眠れない!何とかしろ!」「主治医を呼べ!」と叫ぶように言うのです。とても険しい顔つき、あまりの剣幕に圧倒されてしまいます。

毎回毎回、怒りながら「何とかしろ!」「主治医を呼べ!」と5分おきくらいに言われるので、私をはじめ看護師たちは、患者さんにどう対応して良いのか?困ってしまいました。

皆が困ってしまったので、婦長さんが対応されたのですが、その時は何も言わずにただ黙っていたそうです。
婦長さんの意見では「痛みもあるけど、家族もいなくて孤独だからね、みんなで支えてあげましょう。今は特に不安が強いから、出来るだけ寄り添ってあげましょう」

と病棟スタッフみんなにお話をされていました。

当時の私は患者さんが発する孤独や怒りのエネルギーが痛々しくて怖くて、苦しくなってしまいました。
こういうのを狂気というのでしょうか?一人の孤独な人が壊れながら世を去る一部始終を見ることになりました。

結局最後まで、この患者さんにはあまり上手に寄り添うことができませんでした。
気を抜くと一緒に狂気に飲み込まれそうで、怖かったのかもしれません。

患者さんは息を引き取る最後の時まで、苦しそうな怒りの表情のままでした。
ずっと苦しくて、何かに怒っていて、孤独で寂しくて・・・
そういった感情に飲み込まれたまま最期を迎えたのだと思います。

 

こういう最期を時間の孤独や苦痛をできるだけやわらげてあげたかったのですが、

何もできなかった無力感をいまでも感じています。

看護師の資格があっても、多少の経験があっても圧倒的な孤独や怒りに対して、全く何もできませんでした。
この患者さんとの関りは私にとって、とても大きな衝撃を残す出来事でした。

 

 

人生の最後をどう迎えたいのか?
この患者さんだけでなく時々、怒りながら(おそらく何かに不満を抱えながら)最後を迎える方を見かけます。

世の中に怒りを感じたり、不満を感じながらこの世を去るのも「現世で学ぶテーマ」だと思うので個人の自由だと思います。


でも、私個人としては、人生の最後の時を穏やかに迎えられると良いのにな~。

と思っています。
これまでの人生頑張ってきたのだから、最後の時はよく頑張った自分自身を褒めるとか、認めるとか。そういう感じ。

人生の中で出会った人や別れた人たちとの縁に感謝をするとか、そういう穏やかな感じがいいな~という理想があります。

 

 

死んだあとはどこに行こうか?
松村潔先生のお話では死後の世界もあるそうですからね。
あまり現世にこだわったり、とらわれることなく、あと腐れることなくサラッと最期を迎えることが目標です。

現世が終わったら、今度はどこに行くのかな?
やっぱりもともとの故郷に帰るのかな?
みたいなことを考えると、老いて病になったり、死ぬことはそんなに悪いこと・怖いことではないと思うのです。
老いも病も”新しいステージへ向けての準備期間”みたいな感じだと思います。
死は終わりではなくて、解放とか始まり☆みたいな前向きなニュアンスで。

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人生最後の日がやってきて、現世でのお勉強が終わった後、ちゃんと行きたい場所に行けると良いのですが・・・。
そのためには、今のうちにしっかり地上で学ぶことをしっかり学び、経験するべき課題にきちんと取り組まないといけないな。と思います。
やるべきことをちゃんと済ませないと、再び地球というアトラクションワールドに逆戻りになるでしょうからね~。

地球人の生活はもうお腹いっぱいかもね?