ゲニウスロキと子供のころの記憶①
三河地震と小学校の思い出
私の小学校は少し変わっていました。
どう変わっていたのか?というと、「断層の上」に立っていたということです。
深溝断層というローカル断層なんですけど、WIKIによるとこの断層は1945年(昭和20年)1月13日土曜日に起こった三河地震に伴って出現したものなんだそうです。
三河地震は1945年1月13日午前3時38分23秒に愛知県三河湾で発生したマグニチュード6.8(Mw 6.6)の直下型地震なのです。
その前月に「昭和の東南海地震」が発生していますので、この南海トラフ地震に関連する地震と考察されている方も見えます。
文献によれば、死者1,180人、行方不明者1,126人、家屋全壊7,221戸、半壊1万6,555戸などとされます。
震源が浅いこともあり大きな被害がでたのだとか、死因は多くが建物倒壊による圧死。特に断層線近くの被害が甚大だったようです。
私の通っていた小学校は、ちょうど断層線の真上にありました。
当時、私の通っていた小学校はこの地震の時に全壊したそうで、小学校の校長先生が当時のことを語り継いでいました。
小学校だけではなく近隣の住宅も倒壊していて、その一部が1990年までそのまま残されていました。
そのため、小学校時代の通学路には手つかずのまま残された廃墟ゾーンがありました。
誰も手を付けないので、廃墟ゾーンは竹藪が広がり薄暗く、その隙間からお化け屋敷みたいな家が2~3軒見えました。
今にも崩れ落ちそうな家や、すでに倒壊して瓦礫と梁だけが残っている家もありました。
その家の前には白いお茶碗にお水がお供えされて、お花なども添えられていることがありました。
私はこのリアルお化け屋敷ゾーンが嫌いで、その前を通るたびに何とも言えない寒さ、不気味さ、暗さを感じました。晴れている日でも、なんとなく湿っぽくて独特のにおいがある場所でした。
とてもじゃないけど一人でこの道を通ることはできませんでした。
でも、2000年くらいに廃墟が取り壊されたようで、今はすっかり当時の面影はありません。地震の時にできた断層だけが当時の姿のまま残されています。
現在はとても平和で穏やかな里山の風景です。
カラフルなバーが立っている部分が地震でズレた断層です。
wikiより深溝断層の画像
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=20355163による
小学校一年生の時のこと
私の通っていた小学校では秋にお祭りがあり、みんなそれぞれの地区のお寺で巫女舞や舞踊をしました。小学生は全員参加で、子供会の行事として練習をしていました。
私の地区では素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祀る深溝神社をお祭りしていました。
女子が「花笠音頭」と「ねんねんころり」、男子が「獅子舞」を踊るのが通常でした。
「花笠音頭」は女子全員参加でしたが、「ねんねんころり」は小学1年生の女子生徒限定でした。
これは7歳ルール(7歳までは神のうち)なんだと思います。
「7歳までは神の子」「7つ前は神のうち」など言い方は色々ありますが、日本で古くから伝承されてきた言葉みたいです。
シュタイナーは「7歳までは夢の国」という言葉を残してているようですが、
産まれてから7歳までは神様から子どもを預かっているということを表していたり、夢の国の住人だということを表現しているのでしょうね。
まだ穢れのないその時期は「あの世(黄泉)」とか「夢の国」とか「宇宙」の所属(神に近い存在)なのだといことでしょうね。
神に近いというのは死にも近いということを意味しているそうなんです。
ねんねんころりで「たましずめ・たまふり」
私が小学1年生の時に踊った「ねんねんころり」ですが
ストーリー展開が少し変わっていました。
①最初は子守りの女の子が坊やのお守をしています。
②目の前には獅子が数匹いて、子守りの歌う子守唄で獅子も眠っています。
③子守歌に合わせて踊りを踊っていると、最後に手をパチンとたたいて獅子を目覚めさせます。
④音に驚いて目覚めた獅子たちは荒れ狂って暴れまわる踊りをします。
獅子が目を覚ますと、子守りは慌てて逃げだす。
そんなストーリーになっていました。
改めて振り返ると、獅子は大地のエネルギーてある血脈や龍脈の象徴としてゲニウス・ロキを表していたと考えます。
Wikiによると、ゲニウス・ロキ(genius loci)はローマ神話における土地の守護精霊を言います。地霊と訳されることがあるそうです。
蛇の姿で描かれることが多く、欧米での現代的用法では、「土地の雰囲気」や「土地柄」を意味し、守護精霊を指すことは少ないそうです。
私の地域の場合、大地のエネルギーであるゲニウス・ロキは深溝断層なのではないか?と思います。
眠れる獅子が一度目覚めると、大地が裂け、家屋を破壊し、1000人くらいの人を丸呑みします。
荒れ狂う獅子舞を眠らせるために素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祀る神社があります。
素戔嗚尊(スサノオノミコト)は八岐大蛇退治の神話で有名です。
そのため、祖先たちはこの地に住む大地の霊、獅子のように荒々しい地脈、龍脈を鎮めるために神様の力を借りたのだと思います。
前半は大地の霊ゲニウス・ロキを眠らせる「たましずめ」になっているように見え、
でも後半は地霊を呼び覚ます「たまふり」になっているように感じました。
地霊の力を眠らせたり・呼び覚ましたりしながら、昔の人たちは農業や漁業、家畜の飼育などをして生活してきたのでしょう。
「たましずめ」も「たまふり」も地霊に接触するのは、生贄の意味を込められていたのかもしれない?と思うところもあります。
なにしろ「7歳までは神のうち」です、神に近いということは死にも近かったようです。
私の考察では、素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祀る深溝神社の「ねんねんころりの踊り」は深溝断層という大地の霊(ゲニウス・ロキ)を眠らせたり目覚めさせたりする踊りなんだと思います。
ゲニウス・ロキの力を鎮めるために素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祀り、呼び覚ますために素戔嗚尊の力を借りて、地域の人たちは代々あの土地で命をつないできたのだと思います。